セラピスト応援インタビュー

他職種、他業種からセラピストリーダーへの応援インタビューです。
頑張ってほしい! 期待している! こんなことするといいと思う!など応援やアドバイス、情報をいただき、セラピストリーダーの皆さんのやる気、元気をサポートするコーナーです。
セラピスト応援インタビュー

やわたメディカルセンターリハビリテーション技師部長 後藤 伸介氏

2021.03.20 投稿

今回の応援インタビューは、石川県小松市にあるやわたメディカルセンターのリハビリテーション技師部長/在宅サービス部長の後藤伸介氏にインタビューいたしました。
温泉療養型のリハビリテーション発祥の病院で、現在も急性期、回復期、在宅とトータルで患者さんのケアをサポートされている病院です。

後藤氏は、回復期リハビリテーション病棟協会のPTOTST委員でもあり、同協会のセラピストマネジャー認定コースでもご講義されてらっしゃいます。
今回は、病院のご紹介から始まり、セラピストリーダーに求めること、期待像についてお話いただきました。

また、やわたメディカルセンターイチ押しのセラピストリーダーもご紹介いただき、その様子はリレーインタビューに掲載しております。

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◎後藤部長の所属の病院はこちら
特定医療法人勝木会 やわたメディカルセンター

◎後藤部長のプロフィール
<現職>
やわたメディカルセンター リハビリテーション技師部 部長
                    在宅サービス部 部長
<ご経歴>
1987年 金沢大学医療技術短期大学部 理学療法学科 卒業
同年   リハビリテーション加賀八幡温泉病院(現やわたメディカルセンター)就職
現在に至る

  

◎特定医療法人勝木会のご紹介をお願いいたします。

当院は、208床の病院で、一般病床、地域包括ケア病床、回復期リハ病棟、その他通所リハと居宅介護支援事業所などがあります。また、関連には同一法人の無床診療所があり、こちらでも外来リハと通所リハを行なっており、訪問リハは訪問看護ステーション(市内3拠点)で行っています。

法人が設立されたのは1966年で、この時は整形外科病院としてスタートしています。翌年に、リハビリテーションの専門病院を設立していますが、これがやわたメディカルセンターの前身です。

当院は、いわゆる温泉療養型のリハビリテーション病院が発祥で、歴史的にリハビリテーションに対する理解のある病院です。

事業体として健診センターや二次救急も行なっていますので、急性期医療、回復期医療、在宅という形を取りながら、トータルでこの地域の方々の健康を支援するという事業展開をしています。

法人の特徴の一つに、地域包括支援センターを市から委託されていますが、こちらはフレイル予防機能強化型の指定を受けており、市全体のフレイル予防を支援する事業所となっています。
現在はPTを1人専従配置し、介護予防にかなり力を入れた機能を持っています。その延長線上で、診療所には疾病予防運動施設、いわゆる医療法42条に基づいた施設があり、介護分野だけではなく一般の方のフィットネス、疾病予防も合わせて診療所の中で行なっています。

また、関連法人として公益財団法人北陸体力科学研究所(スポーツコミュニティ ダイナミック)という健康増進施設があることも特徴です。こちらは、一般のフィットネスをしており、スポーツ分野や一般の方の健康増進や疾病予防の事業を行なっています。

病院がある小松市は、石川県内の中でも介護予防事業を積極的に推進している自治体であり、某新聞社の調査において全国1位の評価も受けています。このような中で私たちの法人でも市と協力して地域リハビリテーションを進めていっているところです。

   

◎リハビリテーション技師部のご紹介と主なリーダーの役割をお教えください。

やわたメディカルセンターの中でも、主に入院外来を担う部門としてリハビリテーション技師部があります。在宅については、在宅サービス部という別の部門があり、そちらにもセラピストがいます。

入院外来部門のリハビリテーション技師部のスタッフ構成は、PT51名、OT11名、ST3名です。在宅部門にはPT7名、OT4名がいます。そして、診療所にはPT8名、OT2名、ST2名、訪問看護ステーションにはPT3名とOT5名が在籍しています(2021年2月現在)。

リハビリテーション技師部は病棟単位の組織となっています。病院には4つの病棟がありますので、リハビリテーション技師部は4つのセクションで構成されています。

それぞれの病棟に病棟管理者として、セラピストのリーダー職がいます。各病棟にはPT、OT、STが配置されていますが、職種ごとの管理者はおらず、基本的に、病棟管理者はPT、OT、STの多職種をまとめる役割となっています。

リーダーの役割は、当然、スタッフをまとめることではあるのですが、1つの病棟に病棟医長(医師)と看護師長、リハの管理者がおり、運営管理は3者で行うスタイルをとっています。本来、管理者層は課長職で、課長がいない場合は主任が課長の代理をしているという状況です。

   

◎セラピストリーダーに期待することをお教えいただけますか。

おそらく、若手の人は、一般的にリーダーやマネージャーに対して積極的な人ばかりではなく、どちらかというとネガティブに受け取る方も少なくなく、できればしたくないという人もいると思います。おそらく、この仕事をしている方々は、患者さんを診ることが楽しくて、それがやりがいになっているのだと思います。

本音を言えば、患者さんをずっと診ていたいのだと思いますが、私としては、患者さんを本当に大切に考えて、患者さんがよくなって欲しいと思う人こそリーダーやマネージャーになって欲しいと考えています。リーダーやマネージャーの考え次第で、そのチームの患者さんに対するリハビリテーションの質が変わってきます。

自分が一日に患者さんを診るのは10人に満たないかもしれませんが、自分のチームのスタッフが10人いればその10倍の患者さんに対して、よいリハビリテーションができます。ですので、より多くの患者さんによくなって欲しいと思うのであれば、リーダーやマネージャーという存在がどうしても必要であり、そのスタッフを通して患者さんによくなってもらうという考え方を持って欲しいですね。

そのためにも是非、患者さんを大切にするスタッフこそ、リーダーやマネージャーを目指して欲しいと思っています。

    

◎やわたメディカルセンターでのイチ押しのセラピストリーダーとして、リハビリテーション技師部病棟主任の橋本恵さん(理学療法士)をご紹介いただきましたが、ご推薦の理由を教えていただけますか。

管理業務は、どうしても経営を中心に考えなくてはいけないのですが、その根幹は医療です。特に患者さんのための経営であるという“患者さん志向”でないといけないですよね。橋本さんは、病棟の管理者として、常に患者さん中心に考えてくれているリーダーです。また、誠実で、スタッフに対してもすごく親身な指導やサポートをしてくれているので、安心して任せられるといつも感じています。

今回のインタビューに対しても、自信を持って推薦できるスタッフだと思っています。

※橋本恵さんのインタビューの様子は、リレーインタビューで是非ご覧ください。

ご推薦の橋本恵主任

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【インタビュー後記】
 やわたメディカルセンターの取り組みは、高齢化が進む中で、自治体や地域の関係機関と連携することで地域全体の介護予防に多いに貢献されていることがわかりました。1つの医療機関だけではなかなか進められないことも、他組織との連携、役割分担により、より進んだ医療・介護へと進展していくのだと思います。
 また、「患者さんのことを本当に思う人こそがリーダー」という言葉が印象的でした。
 後藤氏にはお忙しいところご対応いただいただけではなく、現場でご活躍のセラピストリーダーもご紹介いただき、感謝いたします。
 後藤さん、このたびは、インタビューをお受けくださいましてありがとうございました!

編集長 下田静香