コラム

各専門分野の方々から、セラピストリーダーの皆さんが現場マネジメントで役に立つ情報やヒントをご執筆いただくコーナーです。
医療や介護の業界に限定せず、幅広い情報が集まるコーナーです。
他業種コラム

○○転じて福となす〜出来事と結果の関係〜

2021.07.01 投稿

なかなか落ち着かない日々が続きますが、皆さんどのようにお過ごしでしょうか。
私はというと、単科生ではありますが、受講している大学院の科目がいくつか修了、ほっと一息ついている次第です。
本来であれば、リアルで受講する予定だった大学院の講義は、このコロナ禍でオンライン化が進み、全てzoomによる受講となりました。

当初は、一度も顔を合わせないで学びが深まるだろうか・・と不安に思っていたものの、始まってみるとそれはただの思い過ごしであり、むしろ地域を超えたつながりを生んでくれました。
北は北海道から南は沖縄まで。そして、海外組も参加した講義はバラエティに富んだものであり、業種をまたいだ受講者の本音やエピソードに毎回、新たな気づきを得ていました。

と、ここまでお話ししましたが、今回皆さんに伝えたいことの一つが「人生は、予想しない偶発的なことによって決定される」ということです。
私の場合、この大学院はリアルで受講しようと思っていたわけですが、状況がオンライン受講を促したということになります。つまり、当初は予想していなかった出来事になりますね。

米国スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授(1928-2019)が提唱したハップンスタンスラーニングセオリー(Planned Happenstance Theory)理論では「予期していない8割を占める偶然の出来事に対して、ベストを尽くした経験の積み重ねによって人生(キャリア)が形成される」と言及されています。

皆さんも、ご自身の人生を少し振り返ってみてください。

親の転勤、恋人との別れ、大学受験の失敗など・・自分にとって好ましくないと感じる経験は少なからずあったはずです。しかし、それを乗り越える度に新しい何かが得られていると考えれば、きっと無駄な経験なんて一つもないのだろうと私は思っています。

例えば、私の場合で言うと、最も大きな挫折のうちの一つが「大学受験の失敗」です。
それ自体は単なる勉強不足がもたらした結果に過ぎないのですが、何せ10代から20代への過渡期に失敗をする経験は、かなりこたえました。しかし、せっかく一年間、浪人をするのであればこれまで避けていたことにチャレンジしてみよう!と、これを機に大きく方向転換することにしました。

具体的には、文系から理系へと舵を切ったのです。
ちょうど先日まで、テレビでは東大受験をテーマにしたドラマ、「ドラゴン桜」が放送されていましたが、私の場合は「受かるため」と言うよりも「苦手を克服するため」に理系を選ぶことにしました。

そもそも、なぜ文系科目を勉強していたのかと言うと、単純に数学が苦手だったからです。いえ、苦手というよりも「何だかよく分からない」「難しそうだから手をつけにくい」と思った結果、後回しになり時すでに遅し・・の状態になってしまっていたというところでしょうか。

そのような経緯もあり、「せっかく一年間は勉強に専念する機会を得ることができたのだから、苦手分野にも思いっきり突っ込んでみよう!」と発想を切り替えることができたのは、紛れもなく大学受験という失敗があったからです。

このように、どのような出来事であっても気持ちの切り替え一つで描く未来は変わってくる、という経験は誰しも記憶にあることと思います。今回のタイトルに「○○転じて福となす」と敢えてつけましたが、災いも含めて全ての経験がきっと、自分にとって良い結果を生み出してくれるはず!そう発想の転換をすることが大切なのだと思う今日この頃です。

*:.。.:*:・’☆。.:*:…:*★:・’゜:*:・’゜*;・’゜★゜’:*:.。。.:*:…:*

執筆:原 麻衣子(はら まいこ)

株式会社エイトドア 人事アドバイザー
国家資格キャリアコンサルタント
一般社団法人日本アンガーマネジメント協会アンガーマネジメントファシリテーター(TM)
2級ファイナンシャルプランナー技能士

北海道札幌市出身。北海道大学工学部卒。大学卒業後、外資系製薬会社でMRとして札幌市内の開業医を担当。その後、札幌市役所に入庁し、市立札幌病院の総務課職員係として院内の採用や労務手続き、臨床研修医プログラムの構築等に携わる。退職後は、子育て支援を軸とする株式会社AsMamaにて人事を担当し、現在は株式会社エイトドアで人事アドバイザーとして医療機関や社会福祉法人における人事制度構築等の活動をする傍、白石社労士事務所に所属し、広い業種での人材に関わるコンサルティングも行っている。