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原麻衣子のコラム「ヒトコトワリ」vol.19 仕事との向き合い方

2024.04.10 投稿

早いもので4月に入り、2024年度が始まりました。新人を迎えたり、異動で人の入れ替えがあると、自分自身の所属先が変わらなかったとしても新鮮な気持ちになるものです。

新しいことが始まるときはワクワクした期待が膨らみますが、同時に不安を感じる人も少なくありません。もし、不安の方が大きくてなかなか一歩を踏み出せない場合は、その不安を可視化する時間を設けると良いでしょう。

幽霊やオバケのように目に見えないものは怖がられがちですが、それは、実態がつかめない、姿や形が想像しにくいことが理由としてあげられます。人は、現象の説明がつかないことに不安を覚える傾向があるので、これを回避するために、不安を一つ一つ書き起こして言語化していくことが有効だと考えます。

不安の理由を紐解き、「手順をしっかり覚えていないので、処置に自信がない」「上司や先輩とどのように接したら良いかわからない」など、一つ一つ書き起こし、文字にしていくことで、不安を整理することができます。また、書き出した不安を「自分で解決できる」「自分では解決できない」ことに分け、まずは「自分で解決できることから始めてみよう」と、不安を解消するステップを決めておくだけでも、前向きな気持ちになれるものです。よければ、是非試してみてください。

さて、日頃あまりテレビは見ない方なのですが、ここ最近、長寿番組が終了となるケースが多いように見受けられます。先日、終了した「世界ふしぎ発見!」。私は、小学校の頃「20時には寝るように」と言われていたのですが、この番組だけは見ていいよと言われていました。そのため、私にとっては、唯一、夜更かしできる番組だったため、終わってしまうのは寂しくもあり感慨深くもあります。38年間という長い間続いた番組ですが、物事が長く続くにためには、単に魅力的というだけではない理由があります。その秘訣として、一つに、常に全力投球せず、余裕を持つことが重要だと考えています。

全力投球しないというのは、仕事で手を抜くということではありません。現在の自分の実力やレベルを100とした場合、それを飛び越えた200や300といった高いハードルを設定すると苦しくなる場面が出てきます。そうではなく、120や150といった背伸びして手が届く小さな目標やステップを積み重ねていく方が、成功体験として自己効力感が高まり、長く成長し続けることができることでしょう。

       

■執筆:原麻衣子
株式会社エイドドア人事アドバイザー

北海道札幌市出身。北海道大学卒。大学卒業後、外資系製薬会社を経て、公的病院で人事労務等を担当。その後、病院、クリニック、介護施設を中心に人事制度や評価制度の導入・運用コンサルティングや研修講師として活動している。