編集長コラムvol.5 リーダーの5つの役割④~模範となる~
8月の猛暑から、9月に入りすっかり初秋になりました。
今年の夏も新型コロナ感染対策で終わってしまいましたが、ワクチン接種が進み、少しずつ様々な活動が戻ることを願ってやみません。
*:.。.:*:・’☆。.:*:…:*★:・’゜:*:・’゜*;・’゜★゜’:*:.。。.:*:…:*
さて、リーダーの役割を本コラムでお伝えしておりますが、今回は「リーダーの5つの役割」の4つ目の「模範となる」です。
✅ 方向性を示す
✅ 仕事の進捗状況を管理する
✅ 部下を把握する
✅ 模範となる
✅ 上司を補佐する
方向性を示し、その後の仕事の進捗状況を管理しつつ、部下が元気で仕事ができているのかを見ながら、励ましたり、サポートしたりするとともに、リーダーとしての自覚から、部下に対して、模範となる行動がとれているのかは、大切なリーダーの要素だと思います。
ただ、「模範」というと、何でもできるリーダー、100点満点リーダーのように完璧な姿を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
私の持論ではありますが、私はリーダーとは100点満点ではなくてもよいと思っています。要は何でもできる人でなくてもよいと思っています。
そもそも、周囲が「あのリーダーは○○点だね」なんてことをいうこともおかしな話ですし…。
模範となるリーダーとは、次のことができる人、行動を起こしている人なのかなと思います。
✅ メンバーに“背中を見られている”ことを意識している(気にしている)
「背中を見て育つ」という言葉があります。先輩のよいところを真似るという意味で使われていますが、最近は、リーダーの不得意なところを見つけて、それをメンバーが指摘したり、非難したりするようなことも耳にします。
よいところだけではなく、できていないことも見られていることを気にして、それを自覚することも大事だと思います。
✅ 自分のできていないこと、不得意なことを認めて、それを正す行動をおこしている
できていないこと、不得意なことを自覚した上で、それをどう正せば、もしくはできるようになればよいか、具体的な行動をおこしているのかもメンバーは見ています。
メンバーに対して、リーダーも不得意なことがあるものの、それをどう克服すればよいかを考えて自ら動く姿を見せるということで、「模範となる」につながるのではないでしょうか。
✅ 行動規範や人事評価表(一般職員用)に書かれていることを常に振り返っている
上記2つのことを手っ取り早くできるとしたら、自院の人事評価表(一般職員用・・・メンバーレベル)を厳しめにチェックしてみるとよいでしょう。
人事評価表(一般職員用)には、メンバーに求められる行動が書かれています。リーダー自身がメンバーに求めることをできているのかを厳しめに自己チェックし、できていないことを正すという行動を見せることです。
*:.。.:*:・’☆。.:*:…:*★:・’゜:*:・’゜*;・’゜★゜’:*:.。。.:*:…:*
リーダーになったからといって、「何でもできなければいけない」、「失敗は許されない」など、気負いすぎるのではなく、「できなことがあってもいい、それをどうにかしようとし続ける」リーダーの方が親しみやすいリーダーと思いませんか。
■執筆:下田静香
(セラピストリーダーズアカデミー編集長、株式会社エイトドア代表取締役)
法政大学大学院イノベーションマネジメント研究科修了(経営学修士MBA)。医療、介護、保育、障がい者施設の人事制度構築、人材育成・組織運営等研修等や講演、執筆等で活動。全国の病院、福祉施設で実績を積み、それに付随する評価者研修講師は延べ800件を超える。回復期リハビリテーション病棟協会、東京都社会福祉協議会、神奈川県社会福祉協議会、香川県看護協会、八戸市消防本部他団体他で研修講師を務める。著書に「介護施設のためのキャリアパスのつくり方、動かし方」(東京都社会福祉協議会)、「理学療法士育成OJTテキスト」(文光堂 共著)他。現在、「デーリー東北紙『私見創見』」にコラム執筆中。