原麻衣子のコラム「ヒトコトワリ」vol.14~相手を尊重したコミュニケーションの活用~
9月の3連休、皆さんはどのように過ごされましたか。私はというと、暑い関西から飛び立ち、北海道まで足を運んでいました。地元である北海道に着いたのは夜9時。気温は16度と低く、半袖で降り立ったことを後悔するくらいの肌寒さでした。
コロナなどもあったため、北海道へ行くのは実に6年ぶり。せっかく来たのだからと、富良野にニセコに・・と行きたいところへ車を走らせていたら、移動距離は3泊4日で700kmにまで達していました。さすが北海道、移動距離もスケールが違います。今回の目的の一つであるラフティングをニセコで楽しみ、小樽でお昼を食べようと回転寿司に立ち寄ったところ、待っているお客さんは50組で4時間待ちでした。外国人観光客も多く、かつてないほどの人気ぶりに驚いた次第です。
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さて、北海道を車で走っていると、久しぶりに見かけたものがあります。緑色で一見、ポストにも見えますが、コレ、何だかわかりますか?
正解は、砂箱です。
冬になると気温が下がり、路面がツルツルになるので、滑らないように道にまくための砂が入っているのです。調べてみると、札幌市内には4,000か所に設置されているとのこと。私にとって、道端にある緑の砂箱はよく見る光景ですが、ほかの地域に住んでいる方からすると「?」状態だと思います。実際、関西に帰ってから何人かに聞いてみると、知っている方はゼロでした。環境や経験は人それぞれですが、きっと、砂箱のように小さなことの積み重ねで人の価値観が出来上がり、他者との違いや差につながってくるのだと思います。
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「普通はこうだよね」
「常識で考えると・・・」
という言葉をよく耳にしますが、
自分にとっての普通=相手にとっての普通
とは限りません。そう考えると、相手と良い関係性を築こうとする場合、自分の常識や普通を押し付けず、相手を尊重する姿勢やコミュニケーションが大切になってくるのではないでしょうか。
相手を尊重した姿勢、コミュニケーションとは、自分の意見だけを一方的に伝えるのではなく、相手を気遣い、認めながら意見や要望を伝えることです。このような方法で行うコミュニケーションを、アサーティブ・コミュニケーションと言います。
例えば、終業時間まで残り30分となったけれども、今日の仕事が終わっていない。それにもかかわらず、新たな仕事を依頼されたとします。このとき、「忙しいからできません」と断ったり、今日は引き受けたくないと思いながら「はい・・・わかりました」と伝えるのではなく、「今日はまだやらなければならないことがあるので難しいのですが、明日であればできます」と答えるなどの対応がアサーティブ・コミュニケーションに該当します。「せっかくですが」「ご都合よろしければ」といったクッション言葉に似ているかもしれませんね。 良好な関係性は、日々のコミュニケーションの積み重ねによるところが大きいことを皆さんも実感されていることと思います。相手を気遣い、尊重した声かけや態度が、やがては自分自身が過ごしやすい環境を作っていくのだと思っています。
■執筆:原麻衣子
株式会社エイドドア人事アドバイザー
北海道札幌市出身。北海道大学卒。大学卒業後、外資系製薬会社を経て、公的病院で人事労務等を担当。その後、病院、クリニック、介護施設を中心に人事制度や評価制度の導入・運用コンサルティングや研修講師として活動している。