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トコロ変われば役割変わる〜自分らしさの見つけ方〜

2022.03.01 投稿

私が住んでいる地域では、町内会とは別に子ども会があり、小学校5年生の保護者が中心となって、新1年生の歓迎会や地域の夏祭りなどを運営しています。

学校のPTA活動もそうですが、小中学校や町内会で役員を決める時に「待ってました!」と意気揚々、手をあげる人はそう多くないと思います。大半は、「一度はやらなくてはいけないから、早めにやっておこう」、「仕事があるから、出番が多いと難しい」と、躊躇してしまうのではないでしょうか。もちろん、私も後者です。「小学校のPTA役員とは別に、町内の子ども会の役員もあるのか・・・」と、初めて聞いた時は何とも言えない気持ちになっていました。

結果的には、子ども会の中でも幹部と言われる役を引き受けることになったわけですが・・・。

私たちは皆、それぞれの場面で、職業人や家庭人、学生や市民など多くの役割を担っています。これらの役割は増えることもありますし、それぞれに割く時間も年代や状況に応じて変化していきます。

今は、ちょうど年度が変わるタイミングなので、中には、主任やリーダーなど新たな役割が増える人もいることでしょう。1日は24時間と限られていますので、「役割ばかりが増えて時間が足りない」と、心配や不安な気持ちが募っているころかもしれません。

時間をどのように捻出したら良いのか、これは永遠の課題ではありますが、そんな時は前述した『自分が担っている役割』について考える機会を設けてみてはいかがでしょうか。

私たちが人生において様々な役割を担っているという考え方は、ドナルド・E・スーパー(1910-1994)が提唱した理論の一つ、「ライフロール」という概念で知り得ることができます。

人生の役割を、子ども、学生、職業人、配偶者、家庭人、親、市民、余暇を楽しむ人と8つに分け、これらは同時に複数の役割を担いながら相互に影響しているというものです。

自分が持っている時間やパワーを100とした場合、どの役割にどの程度、比重をかけているでしょうか。もし、リーダーとなったことで職業人としての役割が重くなってしまったのであれば、今は仕事に重点を置く時期だと割り切り、余暇や市民活動などにかける時間やパワーを意識的に下げることが必要かもしれません。

全てに100%全力で取り組むことは、やはり難しいものです。「責任あるポジションを任されたから、仕事を頑張らなくては」、「子どもが生まれたから、家庭に注ぐ時間を増やしたい」、「退職を機に、余暇や市民活動の時間を積極的に取りたい」など、ライフイベントも私たちが担っている役割に大きく影響してきます。

「自分自身がどうありたいのか」、「そのためには、どの役割にどのくらい重点を置いたら良いのか」。
それらを自分の内面に問いかけ、見直し続けることこそが自分らしい働き方や生き方につながっていくのだと感じています。

■執筆:原麻衣子
株式会社エイドドア人事アドバイザー
国家資格キャリアコンサルタント 、アンガーマネジメントファシリテーター、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

北海道札幌市出身。北海道大学卒。大学卒業後、外資系製薬会社を経て、公的病院で人事労務等を担当。その後、病院、クリニック、介護施設を中心に人事制度や評価制度の導入・運用コンサルティングや研修講師として活動している。現在、産労総合研究所『病院羅針盤』にて連載執筆中。

産労総合研究所『病院羅針盤』